管理人 さとし
Contents
はじめに
お子さんが小学校に入ると徐々に塾を検討し始める親御さんが増えてきます。また、子どもたちの中にも自分から積極的に塾で勉強してみたいと親御さんにお願いする子も増え始めます。
さらに、中学生では塾に通う子どもの割合はますます増えます。
塾以外でもここ数年通信教材や家庭教師などもかなり充実していますので、何かしらの方法を選んで取り組む子どもたちがたくさんいます。
今回のテーマは、塾選びの大切なポイントについてです。塾は大きく分けると2種類のタイプがあります。
一つは「個別指導型」の塾ともう一つは「集団授業型」の塾です。それぞれのタイプごとに大小様々な塾が日本全国にたくさん存在します。
「集団授業型」は塾というよりも、〇〇進学予備校とか〇〇学院などといった名称で展開しているところが多いです。
私は以前、大手予備校の教室長という立場で働いていました。全国の大都市や地方都市に校舎を持ち、小中学部・大学受験部と小学生から高校生・浪人生をサポートする予備校です。
私はこの予備校の小中学部に所属していました。中学受験クラスの授業を担当していた時期もあります。
教室運営の一つとして、入塾説明会や入塾希望のお子さんと親御さんとの三者面談もたくさんこなしてきました。
親御さんのお悩みの中心は、どの塾が子どもの成績を伸ばしてくれるか、子どもの性格に合っている塾はどれかといったことが一番多い悩みでした。
もちろん、月謝(学費)のことなども心配はあったと思いますが、ご相談の内容はこれらが多かったです。
入塾説明会や三者面談の中で、私が勤務していた予備校のアピールや集団授業(進学予備校)の良さ、個別指導塾との比較などお子さんに合わせて説明してきました。
これらの経験から今回のテーマはご案内できると思います。
あと少しだけ、私の個人的な話をさせて下さい。
私には息子がいます。
私の子どもは、小学生のうちは本人が個人指導塾を希望したので地元の個別指導塾に通っていたのと通信教材(これも本人がやりたいと言ったので)にも取り組みました。
中学になると通信教材はやめてこの個別指導塾を継続しながら、中学2年生の途中から私が勤務していた進学予備校に通い(個別指導塾はやめました)、高校生の頃は通信教材とこの進学予備校のスポット講座(ゼミや春期・夏期・冬期講座)に通っていました(全て息子の希望どおりにしました)。
現在(2019年11月時点)は、運良く現役で国立N大学の医学部に合格し県外で一人暮らししています。
ではこれから、塾の選び方のポイントを2種類の塾のタイプを比較しながらご案内します。
「個別指導型」と「集団授業型」について
個別指導塾とは、一般的に講師1名について子どもが1名または2~3名程度で個々の能力に合わせて教えてくれる塾です。
当然、子ども一人一人の能力には差があります。
個別指導塾は、この差を個人の能力に合わせた柔軟なカリキュラムで埋めてくれる・能力を伸ばしてくれるタイプの塾です。
集団授業型の塾とは、一般的に進学予備校などと呼ばれ、1つの教室(クラス)の中に子どもが10名~30名の小規模・中規模の塾や子どもが30名~60名程度の比較的規模の大きい塾があります。
名前のとおり、小学校や中学校の授業のように講師がカリキュラムに沿って子どもたちに講義形式(学校形式)で教えてくれます。
集団授業は、授業を受ける子どもの中の平均以上かやや高いレベルに設定して講義をすすめるため、一人一人の子どもの能力に合わせて授業を行うわけではありません。
簡単に説明するとこんな感じですが、塾選びのポイントは、どちらの塾のタイプがお子さんの成績を伸ばせるか(塾そのものの経験や実績)ばかりを中心に考えるのではなく、お子さんの性格から判断したり、お子さんが楽しんで通えるかを中心に考えることが大切です。
このポイントがずれてしまうと、成績を伸ばすことができなかったり、塾に通うのが嫌になってしまって、結果として上手くいかない可能性が高くなってしまいます。
「個別指導型」と「集団授業型」の特徴やメリット・デメリットを比較
個別指導型の特徴
個別指導型を一言で表すと「個々の能力に合わせたカリキュラムで教えてくれる」塾です。
個々の能力を尊重してくれる塾と言えますが、カリキュラムの組み方は講師の能力に左右されます。
また、個々の能力に合わせてくれる指導だけでなく、時間も合わせてくれます(融通が利きます)。
例えば、何曜日の何時から何時の間と事前に決めておいて自分のスケジュール(他の習い事のスケジュール)に合わせて時間を組むことが可能です。
講師一人当たりの子どもの数が1名~3名程度なので講師の目がよく行き届き、その分きめ細やかに教えてもらうことができます。
これは個別指導型の大きな特長でもあります。
また、コミュニケーションが取りやすいことも特長の一つです。他人の大人に話しかけることはなかなかできないのが子どもです。
相性の良い講師をある程度選ぶことができ、教えてもらううちに信頼関係もできてくるので分からないところがあればその都度質問できる(質問しやすい)良さがあります。
ただし、スケジュール管理が苦手な子どもにとっては少しストレスになってしまったり、相性が悪い講師ばかりだと塾に行くのが嫌になってしまうこともあります。
子ども一人一人に時間を割かなければいけないため、月謝(学費)は集団授業と比較してやや割高なことが特徴です。
個別指導型のメリット
個別指導型には以下のメリットがあります。
- 子ども個々の能力に合わせた指導(柔軟性のあるカリキュラム)。
- 時間の融通が利く(スケジュールを自分で組むことができる)。
- 講師の目が行き届く(きめ細やかな指導)。
- 講師とのコミュニケーションがとりやすい(質問しやすい)。
- 相性の良い講師を選べる。
個別指導型のデメリット
個別指導型には以下のデメリットがあります。
- カリキュラムは生徒に合わせて講師が決めるため講師の力量に左右される。
- スケジュール管理が苦手な子どもだとやや不向き。
- アルバイト講師(専任のプロ講師ではない)の割合が多いため指導力に差が出てしまう。
- 相性が悪い講師が多いと通うのが嫌になってしまう。
- 月謝(学費)が集団授業型と比べてやや割高。
集団授業型の特徴
集団授業型は「決まったカリキュラムに沿って授業をすすめる学校形式」の塾です。
決まった曜日、決まった時間に合わせて塾(予備校)に行き、小・中・大規模塾によって差はありますが、10名前後~60名前後の仲間(ライバル)と一緒に講義を受けます。
子ども自身も、最初から曜日と時間が決まっているので自分の勉強のペースを作りやすいといえます。
授業のレベルはクラスの中で平均的から上位の子どもの能力に合わせている塾が一般的です。
集団授業は、子ども一人一人のペースに合わせてくれませんが、カリキュラムが決まっているので予習・復習のリズムが作りやすく、講師の能力がカリキュラムに影響しない良さがあります。
集団授業型の塾では、規模が大きくなってくると講師は正社員のプロ講師のみという塾もあります。
このような塾では、どの講師も徹底した社内研修やマニュアルで鍛えられているので、ほぼ全員が同じレベルの授業を行うことができます。
どの講師からも、高品質な授業を受けられるところが特長の一つです。
また、テキスト・問題集もその塾オリジナルの研究されたものを使用する塾(予備校)も多いです。
塾の規模やレベルにもよりますが、地域の特徴(地域の受験出題傾向、地域学校の教育方針、地域学校の授業内容)に合わせたテキスト・オリジナル問題集・過去問題集まで作っている塾(予備校)もあります。
受験情報やデータ(中学受験、高校受験、大学受験)も豊富に持っているため、受験中のお子さんを持つ親御さんにとっては心強い存在になります。
ただし、講師一人あたりの子どもの数が多くなるので講師の目が行き届きにくくなります(その分、月謝は個別指導塾と比較して割安)。
このことが原因で子どもにとっても講師とのコミュニケーションがとりにくいため(講師に話しかけにくい)、分からないところがあっても質問しにくいというマイナス面があります。
さらに、講師との相性が悪い・講師の雰囲気(話し方やテンポ)が合わない場合、自由に講師を選べないため塾に通うのが嫌になってしまう子どももいます。
集団授業型のメリット
集団授業型には以下のメリットがあります。
- その塾オリジナルの研究されたカリキュラムで授業が受けられる(カリキュラムが講師の力量によって左右されない)。
- スケジュールについて、最初から時間や曜日が決まっているためリズムを作りやすい。
- 講師全体のレベルが高い(どの講師の授業を受けてもほぼ同じレベルの授業が受けられる)。
- 正社員のプロ講師の割合が高い(個別指導塾と比較して、アルバイト講師の割合が少ない)。
- テキスト・問題集がその地域の特徴(受験出題傾向、教育方針など)に合わせ作っている塾もある。
- 受験情報・データを豊富に持っている。
- 月謝(学費)は一般的に個別指導型と比べて割安。
集団授業型のデメリット
集団授業型には以下のデメリットがあります。
- カリキュラムは最初から決まっているため(生徒一人一人の能力に合わせていないため)、苦手教科を作ってしまったり、一度つまずいてしまうとついていけなくなることもある。
- スケジュール(曜日や時間)が最初から決まっているため、他の習い事などで忙しい子どもにとっては定期的に通えなくなることもある(時間の融通が利かない)。
- 講師の目が行き届かない(講師とコミュニケーションがとりにくい)。
- 分からないところがあっても質問しにくい。
- 講師との相性が合わなくても我慢して授業を受けなければならない。
「個別指導型」が向いている子ども、「集団授業型」が向いている子どもの比較
個別指導型と集団授業型の特徴やメリット・デメリットをみてきましたが、最終的にどちらにするか決める時には、お子さんの性格や能力などからも(お子さんの側からも)個別指導型が合うか、集団授業型が合うか判断・確認することが大切です。
比較して下記の表にまとめました。ご覧下さい。
個別指導型が合う子ども | 集団授業型が合う子ども | |
性格 | ・内気でおとなしい ・消極的 ・かまってほしい |
・負けず嫌いで勝ち気 ・積極的 ・ほっといてほしい |
能力 | 平均的か平均よりやや下 | 平均的か平均より上 |
苦手教科・分野状況 | ・算数・数学、英語が苦手、嫌い ・苦手な教科や分野が多め |
・算数・数学、英語は苦手ではない ・苦手な教科や分野が少なめ |
教室の環境 | ・比較的にぎやかな環境が好き ・多少騒がしくても気にならない |
・周囲がにぎやかだと気が散る ・授業中の生徒の会話が気になる |
勉強の習慣 | ついていない | ついている |
習い事・部活動状況 | 多め、忙しい | 少なめ、ゆとりある |
この表は一般的な傾向から作成しています。
例えば、お子さんの性格や能力などが集団授業型が合う子どもに当てはまる項目が多くても、お子さんが個別指導塾に行きたいといったなら個別指導塾に行かせた方が良いと思います。
塾選びはお子さんの気持ちを尊重してあげて下さい。
お子さんが迷っていて決められない時は、上記の表をもとにしてアドバイスやヒントを与えてあげると良いと思います。
無料体験授業を受けましょう!「無料体験授業を受ける時の大切なチェック項目」
その塾のホームページやちらしなどの広告をみると雰囲気がなんとなく分かります。
ただし、ホームページや広告は良いことばかり記載されています。
さらに詳しい塾の雰囲気や様子は子どもが友だちから聞いたり、友だちのお母さんから聞くとある程度具体的にわかります。
ただし、その友だちが通っている塾が好きか嫌いか(成績が良いか悪いか)によって伝わる情報は大きく変わります。
そのため、行きたい塾の候補が決まってきたら必ず無料体験授業を受けていただきたいです。
講師の生の授業や直接指導を受けることによって、その塾の雰囲気がある程度わかります。また、お子さんに合いそうか合わなそうかをつかむことができます。
お子さんの様子も楽しそうか、つまらなそうかが分かりますし、無料体験授業の後に話し合って確かめることもできます。
塾の費用は決して安くありませんので慎重に検討しましょう。
- 授業は全体的に分かりやすいか(子どもの成績が伸びそうか)。
- 講師の雰囲気や話し方、テンポは子どもに合っているか。
- 宿題(予習・復習)はしっかりとこなせる量か(多すぎたり、少なすぎたりしないか)。
- 通塾時間、距離は適当か(防犯上危険な道などないか)。
- 困った時にすぐに個別面談など実施してくれるか。
- 塾の月謝(学費)は家計的に適当か(家計が苦しくならないか)。
- 必要な受験情報などをすぐに手に入れることができるか。
- 学校の授業、地域の特性等にマッチしているか。
無料体験授業ではこれらのチェック項目を必ず確認して下さい。
また、その塾についての不明点、お子さんの勉強や成績についてのお悩みや疑問点などいろいろ質問してみて下さい。疑問点は必ずその場で解消しましょう。
入塾すると、入学金や月謝、教材費(ない場合あり)、教室運営費(管理費)などがかかります。
入学金は1万円~2万円程度が一般的です。月謝は、地域や塾の大きさ、1回あたりの時間などによって変わります。
一般的な月謝は週2回の授業で、個別指導型は2万円~3.5万円程度(1回75分~90分程度)、集団授業型は1.5万円~2.5万円程度(1日60分×2回)です。
塾によって費用は変わりますので、かかるお金はその塾に直接確認してみて下さい。
まとめ
管理人 さとし
塾選びで大切なことは、事前に塾のタイプを知ってその特徴やメリット・デメリットをつかんでおくこと、通えそうな塾をピックアップして候補となる塾を決めたら必ず無料体験を受けることが大切です。
塾を決める最終的な決め手はお子さんが気に入るかどうかです。
お子さんの「この塾に行きたい。」という気持ちが大切です。
塾を選ぶ時に、その塾の知名度や実績はもちろん大切ですが、お子さんの気持ちを一番に尊重してあげて下さい。
お子さんが自分で気に入った塾を決めて、その塾に楽しんで通うことができれば成績はきっと伸びます。
コメントを残す